校内研修とは

 「教育は人なり」という言葉があります。
 時代がどんなに変わろうとも、子どものより良い成長に向けた熱い情熱と使命感は、教師として身に付けておくべき資質能力です。しかし、実際に子どもたちの指導に際しては、それだけでは不十分です。広い教養や豊かな人間性、そしてすぐれた専門性を兼ね備えていなければ、「教師」として職責を遂行することはできません。
 教師は、このことを今一度真剣に受け止め、あらゆる機会や場をとらえて、絶えず研究と修養に努めなければなりません。
 しかし、学校という組織においては、個人の努力による資質向上だけではなく、全体的なレベルアップを図り、子どものより良い人間形成に向け成果を出していかなければなりません。校内において、これを実現するものが「校内研修」であり、「長崎県公立学校教職員研修体系要綱」の中では「学校が主体となって、教育目標の実現に向け、校長の指導のもと計画的、継続的、組織的に実施する研修」と定義付けています。
 

今なぜ校内研修の活性化なのか?

 きわめて急激かつ広範な社会変革のなかで、学校をめぐる多種多様な課題が生まれるとともに、学ぶべき内容や学び方等についての社会的要請も大きく変化しており、教育の在り方等についてさらなる対応や改善を図ることは、教育に携わる者にとって看過できない課題と言えます。しかしながら、学校現場に目を向けると、学習指導や生徒指導に手腕を振るってきた、いわゆる「ベテラン」といわれる教師が大量に退職する事態が予想され、次代の教育を担っていく若手教師はもとより、ミドルリーダーの育成も急務となっています。
 これらの難問に対応していくためには、校長の指導のもと、個々の教師が組織の一員として学校の抱える課題を共有し、ミドルリーダーを中心に向かうべき方向性や見通しを明確にもち、より良い学校づくりに向け確実に成果を上げるマネジメントが求められています。また、個々の教師がこれまでの経験や知識を生かし、主体的・創造的に取り組むことができる体制やシステムを構築することも大切です。
 校内研修をとおして、教師同士が学び合い、高め合っていく同僚性を構築し、活力ある学校文化を形成していただきたいと考えています。

県内の校内研修の現状

 当教育センターが平成23年5月に実施した、県内抽出校による校長アンケートによると、各校種で、計画性・継続性・組織性について多く課題を持っていることが分かりました。
 また、平成24年2月に実施した全公立学校を対象に実施した校内研修に関するアンケートでは、特別支援学校で非常に成果を感じている一方、高等学校においては、組織性や計画性に課題があるように思われます。(校内研修の実施状況(校種別報告書)参照
 このように、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校では、その校種や規模、それぞれの状況によって成果や課題もさまざまです。