新緑が目にまぶしい季節になってきました。 |
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本年度も、研修講座や出前講座、巡回教育相談、訪問支援、研究援助、Webページによる活用教材の提供等を通して、学校現場に即した支援をしてまいりたいと考えていますので、多くの皆さんの御利用をお待ちしています。 ところで、教育センターでは昨年度「長崎県児童生徒の社会性・規範意識に関する調査研究」を実施しました。調査に御協力いただいた関係学校のすべての児童生徒、保護者、教職員の方々に心から御礼申し上げます。おかげさまで「報告書」として県内すべての学校と市町教育委員会、教育関係機関等に送付することができました。 本調査は、平成14年度から5年ごとに実施しており、今回が3回目です。調査対象者は、長崎県内の小学5年生、中学2年生、高校2年生のそれぞれ約700名と、その保護者及び調査実施校の教職員の皆さんにお願いしました。過去2回の調査との結果の比較を、可能な限り適正に行えるように、調査方法や内容、標本抽出の方法などは、これまでの調査とできる限り同じになるようにしました。 今回の調査結果を10年前の調査結果と比較して明らかになったことのいくつかを以下に紹介します。 この10年間で、 ○本県児童生徒の規範意識は、全体的に向上している。 ○家庭生活が楽しいと感じる児童生徒の割合が増加している。 ○朝食を食べると回答した児童生徒の割合が増加している。 ○下校後の学習時間(塾等を含む)が全校種で増加している。 ○学校生活が楽しいと感じる児童生徒の割合が増加している。 ○ボランティア活動へ関心がある児童生徒が全校種で増えている。 ことなどが明らかになりました。 また、 ○家庭生活が楽しいと回答した児童生徒ほど、また学校生活が楽しいと回答した児童生徒ほど、規範意識が高い傾向にある。 ○朝食を食べると回答した児童生徒ほど、規範意識が高い傾向にある。 ことなども明らかになりました。 しかしながら、規範意識が全体的に高い状況にある中で、友人の行為を見ても何も言わないという回答がやや増えてきていることなど気になる結果も出ています。 「知識基盤社会」といわれる21世紀を生きる子どもたちには、仲間と協力して未知の課題に主体的に関わり、柔軟に対応するとともに解決していく力が求められています。子どもたちに関わるすべての大人は、この「社会を生き抜く力」を身に付けさせ、未来に送り出すことが重要な責務の一つであるということを自覚しなければなりません。 そのためには、これまで以上に、家庭・学校・地域社会がそれぞれの役割と責任を持ち、一体となって教育を進めていく必要があります。 そこで、教育センターでは今回の調査結果に基づき、規範意識や社会性などの豊かな情操や道徳心をより一層培うために大切なことを、「家庭・学校・地域社会へのメッセージ」として作成し、報告書に記載しました。その内容の柱は、次のとおりです。 「家庭・学校・地域社会へのメッセージ」 ~みんなで育てよう、心豊かでたくましい長崎っ子~ < 家 庭 >「温もりの中で社会性の基本をはぐくむ場に」 ○温もりのある家庭をつくりましょう ○規律ある生活習慣を定着させましょう ○善悪の判断ができる子どもに育てましょう < 学 校 >「夢をはぐくみ生きる力を育てる場に」 ○集団生活のルールのもとで、学校生活を充実させましょう ○自己の生き方を見つめ、考える力を育てましょう ○よりよい人間関係を築く力を育てましょう <地域社会>「大人のつながりで子どもが育つ場に」 ○地域行事等への参画体験の場をつくりましょう ○子どもの健全な成長を促す環境をつくりましょう ○地域と学校の連携を積極的にすすめましょう このメッセージとともに今回の調査結果を様々な場で生かしていただくよう積極的に広報活動を行うとともに、教職員研修やPTA研修等の資料として活用し、児童生徒の社会性と規範意識の醸成に努めてまいります。 平成25年度も、長崎県教育センターの様々な事業への皆様方の温かい御理解・御協力と力強い御支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
長崎県教育センターWeb情報 第355号(平成25年4月26日) |